一般皮膚科
一般皮膚科
皮膚疾患は簡単に治るものから根気よく気長につき合っていく必要のある疾患まで様々なものがあります。適切なスキンケアと軟膏などの外用療法を行うことによって、より良い状態を保ち、慢性的な皮膚病と上手につき合っていくお手伝いをいたします。
当院では 毎週火曜日夕方診察の時間に皮膚科医による皮膚科外来を行っております。皮膚科受診でお困りの方は是非当院にご相談ください。
アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎は、繰り返す慢性の湿疹と皮膚の乾燥が特徴的な皮膚疾患です。痒みが強いのですが、掻くとさらに悪化し、悪循環を招きますので、治療によって痒みを抑える必要があります。
喘息のほか、アレルギー性鼻炎やアトピー性皮膚炎のある家系に出やすい傾向があり、またダニや食べ物などのアレルギーが起こりやすいのも、アトピー性皮膚炎の特徴です。
アトピー性皮膚炎の治療にあたっては、皮内反応(小量の抗原を皮膚内に注射したとき、これによって皮膚が発赤、膨疹を起こす反応。この反応を利用して生体のアレルギー状態や免疫状態を知り、病因となる抗原の確定や病気の診断をする)や血液検査などで検査した上で、外用薬のステロイド剤、免疫抑制剤、保湿剤等を用います。
湿疹
皮膚科を受診される患者様に非常に多く見られる疾患です。ブツブツや小さな水泡、赤みなどが混ざって現れ、痒みもともないます。
原因として考えられるものには、自己免疫や食べ物アレルギー、ダニ、ハウスダスト、薬疹、ウイルスなどがあります。湿疹・かぶれなどは痒みをともなうことが多いため、ついつい掻いてしまいがちです。
しかし、掻いて治ることはなく、むしろ、掻くことによって患部をかき壊してしまい、化膿や悪化を招き、患部が拡大してさらに痒くなる、という悪化のサイクルに陥ることが少なくありません。痒みや炎症を抑える薬を上手に使って、こうしたサイクルを抑える必要があります。
蕁麻疹
痒みの強い、丸っぽい形をしたわずかに盛り上がったミミズ腫れが数分~24時間以内に出来て消えていく皮膚疾患を蕁麻疹(じんましん)と言い、4週間以内に治るものを急性蕁麻疹、それ以上続くものを慢性蕁麻疹と言います。
蕁麻疹の原因は、食べ物や内服薬、細菌やウイルスの感染などさまざまで、検査としては皮内反応や血液検査IgE RAST法、一般血液検査等を行いますが、慢性蕁麻疹では原因が特定出来ないことが少なくありません。蕁麻疹の治療には抗アレルギー剤や抗ヒスタミン剤などを使います。
ヘルペス
単純ヘルペスウイルスの感染によって起こり、顔に出来る1型と外陰部や臀部などの下半身に出来る2型ウイルスの2種類があり、初感染で口内や外陰部に発疹が生じたときは高熱と激痛がともないます。
ヘルペスの治療としては、抗ウイルス剤の内服と外用を行います。発疹の出る前にチクチクする感じなどの予兆の出ることが多く、その時点で内服を始めると治りが早まります。
しかし、単純ヘルペスウイルスは神経節に入って潜伏するため、薬で完全に除去することは出来ません。寝不足、疲労、風邪などによって免疫力が下がると増殖して再発しがちです。
脂漏性皮膚炎
脂腺の多いところに生じる湿疹で、頭部や顔、胸背部などに出来やすいのが特徴です。新生児や乳児に多く見られますが、大きくなるにつれて自然に出来なくなってきます。
一方、問題なのは中高年の方の場合で、頭、顔、耳にフケがしつこく出て、痒みもあり、非常に憂うつなものです。
原因としては皮脂の成分の質的異常であり、皮膚の機能の老化が関係しています。また、でんぷう菌(マラセチア)の感染が関与することがあり、脂漏性皮膚炎の治療としては、強過ぎないように気をつけながらもしっかり洗うのが基本で、そうした後にステロイド軟膏とでんぷう菌に効く抗菌剤を塗ります。
帯状疱疹
水痘・帯状疱疹ウイルスの感染によって発症しますので、水痘を経験した人にだけ起こります。 頭部から下肢までの間の片側の一定の神経支配領域に神経痛様の痛みをともなった小水泡が帯状に出来ます。顔に出来ると顔面神経麻痺、内耳の障害によるめまい・耳鳴りなどが起こることがあります。
痛みに悩まされることが多く、帯状疱疹後疼痛として長い間痛みが残ってしまうことがあり、しかもこの痛みは治りにくく、それが問題です。
帯状疱疹は、いち早く皮膚科を受診して早く治すことが大切で、これにより帯状疱疹後疼痛の発生頻度を少なくすることが出来ます。
水虫 真菌感染
水虫になると、ほかの部位に症状が広がるだけでなく、他人に感染してしまうことも少なくありません。悪化を防ぐためにも、早めの治療が肝心です。水虫に関する正しい知識をおさえて、適切に対処・予防していきましょう。
白癬は皮膚糸状菌という真菌(カビ)によって生ずる感染症で、皮膚糸状菌によって起こる病気は日本では白癬、黄癬、渦状癬に分類されています。しかし現在黄癬、渦状癬は日本になく、また欧米では白癬は皮膚糸状菌症と同じ意味で使用されていますので、ここでは皮膚糸状菌症を白癬と呼びます。
我が国の疫学調査では、足白癬が増え始める5月には、5人に1人は足白癬があり、また10人に1人は爪白癬があるという報告があります。
皮膚の角層に感染した白癬は、抗真菌作用を有する塗り薬をきちんとつければ、良くなります。しかし角層がかなり厚くなっている角質増殖型と呼ばれる病型や、白癬菌が髪の毛や爪に寄生している場合は、飲み薬を飲まないと治りません。飲み薬は全ての白癬に有効ですが、副作用や他の薬剤との飲み合わせの問題があるなどの欠点もあります。
にきび
にきびは医学的には尋常性ざ瘡と呼ばれている皮膚疾患です。にきびは皮脂の分泌が多くなる主に思春期の13 ~20歳の間に発症すると認識されることが多いますが、成人になった後も不規則で不摂生な生活習慣を続けていると発症しやすくなります。
発症の仕組みについてですが、皮脂の過剰な分泌によって毛穴に皮脂が詰まっていくと、にきびの元となるニキビ菌(アクネ菌)は増殖するようになります。やがて膿を含んだ赤いブツブツが発症するようになるのですが、これがいわゆるにきびです。
主に皮脂の分泌が多い顔、胸、背中などに発生しやすく、爪などでにきびを潰すこと等して悪化させてしまうとしこりや痕が残るようになります。にきび痕を残さないためには、しっかり皮膚科で治療を受けることが大切です。
治療については、抗生物質や硫黄製剤などの外用薬、ビタミン剤・ホルモン剤、漢方薬などの内服薬などがありますが、症状の度合いなどから適切な治療法を選択します。また、日頃からのスキンケアや栄養バランスのとれた食事、睡眠不足の解消など、生活習慣の改善も行うようにしてください。